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健康保険料の給与計算について

健康保険料の給与計算について


記事作成日:2024/2/29

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健康保険とは、健康保険の被保険者や被扶養者が病気やけがなどで医療が必要な場合に、必要な給付を受けられるための公的医療保険制度です。
健康保険の適用事業所の事業主は、被保険者の毎月の給与と賞与から事業主と折半した健康保険料を天引きする必要があります。

今回は、健康保険料の給与計算についてわかりやすく解説していきます。

1.健康保険の被保険者の範囲

健康保険の被保険者は、労働条件が一定の基準を満たさない方を除いた健康保険の適用事業所に勤務する労働者が対象です。
健康保険の被保険者になるには、国籍、性別、年齢の制限はありません。
健康保険の適用事業所に常時雇用される労働者や、パートやアルバイトなどの短時間労働者でも、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上であれば健康保険の被保険者になります。
また、常時雇用者の4分の3未満の方であっても、厚生年金保険の被保険者の総数が常時100人を超える健康保険の適用事業所に勤務していて以下の条件をすべて満たした方も健康保険の被保険者です。

(1)1週の所定労働時間が20時間以上であること
(2)賃金の月額が88,000円以上であること
(3)大学、高等学校、専修学校、各種学校などの学生でないこと

2.健康保険料の基準になる標準報酬月額と標準賞与額

健康保険の被保険者は、毎月の給与時と賞与時に事業主と折半で健康保険料を支払わなければなりません。
健康保険料は、それぞれの被保険者によって金額が異なります。

毎月の給与時の健康保険料は、被保険者の給与などの報酬月額を一定の幅で区分された「標準報酬月額」により決定されます。
現状、健康保険の標準報酬月額は、1等級(5万8千円)から50等級(139万円)までの区分です。
また、賞与時の健康保険料は、被保険者の賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた「標準賞与額」により決定されます。

3.毎月の健康保険料の給与計算

毎月の健康保険料額の算出方法は、標準報酬月額×健康保険料率です。
この計算式により算出された毎月の健康保険料を、事業主と被保険者が折半します。

健康保険料率は、健康保険の保険者である全国健康保険協会(協会けんぽ)と健康保険組合ごとに異なります。
また、協会けんぽの保険料率は、都道府県ごとに異なるのです。

4.賞与時の健康保険料の給与計算

賞与時の健康保険料額の算出方法は、標準賞与額×健康保険料率です。
この計算式により算出された賞与時の健康保険料を、事業主と被保険者が折半します。
健康保険料率は、協会けんぽと健康保険組合ごとに異なります。

5.賞与時の健康保険料の給与計算

給与や賞与から健康保険料を控除する時は、以下の事に注意しなければなりません。

(1)健康保険料は日割り計算できない

毎月の健康保険は1か月単位で控除されるため、日割りで健康保険料を控除することはできません。

(2)定時決定による健康保険料の改定は9月から

毎年の定時決定による標準報酬月額は、原則9月から翌年8月まで適用されます。
そのため、健康保険料の改定が行われるのは、毎年9月です。
また、昇給や降給などにより賃金が大きく変動した場合の随時改定は、大きく変動した月から数えて4か月目に標準報酬月額が変更されて健康保険料が改定されます。

(3)産前産後休業期間中や育児休業等期間中の健康保険料免除

産前産後休業期間中や育児休業等期間中は、被保険者と事業主の両方の健康保険料が免除されます。
ただし、健康保険料が免除されるためには、日本年金機構へ届け出ることが必要です。

(4)給与の支払いがない場合でも健康保険料の控除は必要

病気や入院のため出社することができず給与の支払いがない場合であっても、健康保険料の控除は必要です。

まとめ

このように、給与計算をする場合には、健康保険料などの控除についても注意する必要があります。

給与計算について疑問等があれば、是非一度当事務所にご相談ください。

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