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変形労働時間制における時間外労働について

変形労働時間制における時間外労働について


記事作成日:2024/2/20

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変形労働時間制とは業務の繁忙期や閑散期に応じて労働時間が調整できる制度で、「1年単位の変形労働時間制」、「1か月単位の変形労働時間制」、「1週間単位の非定型的変形労働時間制」の3種類があります。
また、「フレックスタイム制」も労働時間が調整できる制度という意味で、変形労働時間制に含めて考えられるケースもあります。
変形労働時間制の特徴は繁忙期に労働時間が多くなり、閑散期には労働時間が少なくなるため、時間外労働の考え方が通常の勤務制度とは異なるのです。
今回は、1年単位の変形労働時間制、1か月単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制の時間外労働をどのように算出するのかについて、解説していきます。

1.1年単位の変形労働時間制

労働基準法では、原則1日8時間、1週間40時間の法定労働時間を超えて労働をさせてはいけません。
1年単位の変形労働時間制とは、1か月超1年以内の一定の期間を平均して1週間の労働時間が40時間以下の範囲内であれば、特定日または特定週に法定労働時間を超えて労働させることができる制度のことです。

1年単位の変形労働時間制の要件

1年単位の変形労働時間制を導入するには、労使協定を締結して以下の事項を定めて所轄労働基準監督署長へ届出しなければなりません。

(1)対象労働者の範囲
労働基準法では対象労働者の範囲について特に制限していませんが、対象労働者の範囲は明確に定める必要があります。

(2)対象期間および起算日
対象期間は1か月超1年以内の期間に限り、具体的な期日でなく期間で定める場合のみ起算日が必要です。
対象期間中に連続して労働させる日数は、6日が限度です。

(3)特定期間
対象期間の中で、特に繁忙な期間を特定期間として定めることができます。
特定期間中に連続して労働させる日数の限度は、1週間に1日の休日が 確保できる日数です。

(4)労働日および労働日ごとの労働時間
対象期間を平均して、1週間当たりの労働時間が40時間を超えないようにしなければなりません。
対象期間における労働日数は、1年当たり280日が限度です。
対象期間が3か月超1年未満の場合の労働日数の限度は、以下の計算式で算出されます。

280日×対象期間の暦日数÷365日

(5)労使協定の有効期間
労使協定の有効期間は、対象期間より長い期間にする必要があります。

2.1か月単位の変形労働時間制

1か月単位の変形労働時間制とは、1か月以内の期間を平均して1週間の労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)以内であれば、特定日または特定週に法定労働時間を超えて労働することが可能となる制度のことです。
特例措置対象事業場とは、常時使⽤する労働者数が10人未満の以下の事業場のことです。

・商業
・映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)
・保健衛生業
・接客娯楽業

1か月単位の変形労働時間制の要件

1か月単位の変形労働時間制を導入するには、 労使協定または就業規則にて以下の事項を定めなければなりません。

(1)対象労働者の範囲
労働基準法では対象労働者の範囲について制限はありませんが、対象労働者の範囲については明確に定めておく必要があります。

(2)対象期間および起算日
対象期間は1か月以内の期間のみとし、対象期間および起算日は具体的に定めなければなりません。

(3)労働日および労働日ごとの労働時間
対象期間を平均して、1週間当たりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えないようにしなければなりません。

(4)労使協定の有効期間
労使協定の有効期間は、対象期間より長い期間にする必要があります。

3.1週間単位の非定型的変形労働時間制

1週間単位の非定型的変形労働時間制とは、日ごとの業務に著しい繁閑の差が激しいため労働時間を特定することが難しい一定の事業について、1週間単位で日ごとの労働時間を弾力的に定めることができる制度のことです。

1週間単位の非定型的変形労働時間制の要件

1週間単位の非定型的変形労働時間制を導入するには、以下の要件を満たす必要があります。

(1)常時使用する労働者が30人未満の小売業、旅館、料理店・飲食店であること
労働基準法では対象労働者の範囲について制限はありませんが、対象労働者の範囲については明確に定めておく必要があります。

(2)労使協定にて以下の事項を定めて、所轄労働基準監督署長へ届出すること
・1週間の労働時間が40時間以下になること
・1日の労働時間を10時間以内とすること
・1週間の日ごとの労働時間を、非定型的変形労働時間制が開始する前に労働者に書面で通知すること

まとめ

このように、変形労働時間制とは、繁忙期や閑散期の労働時間を柔軟に変更できる制度のことです。

変形労働時間制について詳しく知りたい場合は、是非一度当事務所にご相談ください。

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