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代替休暇制度

代替休暇制度


記事作成日:2023/12/28

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労働基準法では、労働時間の限度を原則として1週40時間以内かつ1日8時間以内としています。
この労働時間の限度のことを法定労働時間といい、労使で協定(36協定)を結んだ場合のみ法定労働時間を超えて働かせることが可能です。
また、法定労働時間を越える時間外労働に対しては、25%以上の割増賃金を支払わなければならないと定められています。
さらに、1か月の時間外労働が60時間を越えた場合には、50%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
しかし、1か月に60時間を越えるような時間外労働は、労働者の健康に影響を与える可能性があります。
そのため、1か月60時間を超える時間外労働の代わりに有給休暇を付与することを、「代替休暇」といいます。
今回は、この代替休暇について、詳しく解説していきます。

1.代替休暇制度とは?

法定労働時間を越える時間外労働に対しては、通常賃金の25%以上の割増賃金を支払う必要があります。
例えば、通常賃金が1時間1,000円の労働者が法定労働時間を越える時間外労働をした場合は、時間外労働1時間につき割増賃金を含めて1,250円以上支払わなければなりません。
また、現状1か月の時間外労働が60時間を越えた場合には、労働者が健康を保持しながら労働以外の生活に時間を確保して働けるため50%以上の割増賃金を支払う必要があります。
通常賃金が1時間1,000円の労働者が1か月の時間外労働が60時間を越えた場合には、越えた分の時間外労働1時間につき割増賃金を含めて1,500円以上支払わなければなりません。
また、22時から翌日の5時の時間帯に1か月60時間を越えた時間外労働を行った場合には、時間外の割増賃金の50%以上と深夜時間の割増賃金25%以上の合計75%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
このように、1か月60時間を越える法定時間外労働を行う労働者に対しては、十分な健康を確保する必要があります。
そのため、1か月の時間外労働が60時間を越えた場合には、引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与することができ、この制度のことを代替休暇といいます。
1か月の時間外労働が60時間を越えた時間外労働の代わりに代替休暇を与えた場合であっても、60時間を越えた時間外労働について25%以上の割増賃金の支払いが必要です。
すなわち、50%以上の割増賃金のうち25%以上の割増賃金は必ず支払わなければならず、残りについては企業が決めた換算率において代替休暇の時間数が算出されます。

2.代替休暇制度の導入方法

代替休暇制度を導入するためには、労働者の過半数で組織する労働組合、ない場合には労働者の過半数を代表する者との間で労使協定を結ぶことが必要です。
この労使協定はあくまでも代替休暇制度を導入に対するもので、実際に代替休暇制度を利用するかどうかは従業員の選択に委ねられます。
企業が代替休暇を取得を強制することはできないため、注意が必要です。
代替休暇制度を導入するための労使協定で定める事項は、以下になります。

(1)代替休暇の時間数の具体的な算定方法

代替休暇の時間数のは、以下の計算式にて算出されます。

代替休暇の時間数=(1か月の法定時間外労働時間数-60時間)×換算率

換算率=代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率-代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率

(2)代替休暇の単位

代替休暇は、1日単位または半日単位のいずれかの単位で与えることとされています。
また、代替休暇として与えられる時間数が1日または半日に満たない場合は、時間単位の年次有給休暇と合わせることで1日または半日の休暇とすることが可能です。

(3)代替休暇を与えることができる期間

代替休暇の目的は、長時間の労働により労働者の健康に影響を与えないことです。
そのため、代替休暇は、1か月の時間外労働が60時間を越えた月の末日の翌日から2か月間以内に与える必要があります。
2か月間以内に与えなかった場合であっても、割増賃金の支払いがなくなるわけではありません。

(4)代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日

代替休暇の取得日をどのように決定するかや、代替休暇を取得した場合にはその分の割増賃金の支払が不要となるため割増賃金の支払日については労使協定に定めておく必要があります。

まとめ

労働者の健康のためにも、長時間の労働はできるだけ避ける必要があります。
しかし、状況によっては1か月の時間外労働が60時間を越えるケースもあるかもしれません。
そのような場合には、代替休暇制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
代替休暇制度について詳しく知りたい場合は、是非一度当事務所にご相談ください。

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